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2012年10月01日

義珍の拳

塚本先生にお借りした本、今野敏著「義珍の拳」
読了しました。


一言。「面白い!」

空手の歴史に詳しくない人も、詳しい人ならば尚更ですが、面白いです。
全空連の4大流派「松濤館流」の開祖であり、日本空手協会の会長でもある
富名腰(船越)義珍の生涯を描いた本です。


印象的だったのは、義珍が師事した二人の師匠「糸洲安恒」「安里安恒」から
教わった唐手(トゥディー)は「聖人君子の武道であり、実戦に使う為のものではない」
という理念を貫いて来た義珍。それが自分の息子や本部朝基等の考えである
「実戦に使えなければ意味がない」という考え方に翻弄されていく所です。
一つの形に数年も費やすような修行を師匠から受けて来た義珍。組手などしなくても
形に様々な要素が入っている。組手などすべきではないという考えに反して時代は
どんどん組手を取り入れていく方向へと進んでしまう...

これは現代にも通じる共通部分だと思います。


僕は、時代が「早さを求めすぎる」気がするのです。
色々な事に対して「早さ」を求める。サービスも、商品の発注、到着も、
対応の早さも。頼んだらすぐ来ると思ってる。物事の成果も、ビジネスも、
ダメならすぐ次へ次へと移る。
そして政治の成果も。首相が変わってもしばらく成果が現れなければすぐ交代交代と。
我慢する事ができない。じっくり取り組む事が出来づらい。
そういう「高回転型」に世の中全体がなってしまっている気がしてならないのです。


松林流の18の形を稽古していると、やはり形の奥深さを感じます。
様々なエッセンスが入っているのを実感します。
形はそれこそ、数えきれない程繰り返してじっくり「練って」いくもの。その中で
身体にしみ付いていくものです。でも組手の方が早いしわかりやすいし、楽しい人も多い。
おこがましいですが、船越義珍が言っている事もよくわかるんです。
とりとめもない話になってしまいましたが、そう感じました。
そして実直で素直な船越義珍に、会いたくなりました。

ちなみに著者である今野敏(こんの びん)氏。塚本先生のお知り合いで、ご自身も
「空手道今野塾 http://www.age.ne.jp/x/b-konno/ 」を立ち上げていらっしゃいます。
いつか紹介いただいて、ぜひ一杯ご一緒に飲めたらいいなと(笑)。

義珍の拳


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