国内全般 小波蔵政昭 (090)6094-7876 静岡県内 塚本勝博 (080)3637-9806

2018年05月08日

「背筋を伸ばす」という意味

数あるスポーツの中で、「背筋をピンと伸ばす」方が良いとされるスポーツは
実はそれほど多くない。
格闘技においても、ボクシング、フェンシング、レスリング等々、これらは皆背筋を伸ばすという教えがない。
ボクシングは言わずもがな、背を丸めてファイティングポーズだ。
「武道」のある意味共通の教えとして「背筋を伸ばす」ことは、日本文化にも馴染み深く国民皆が好きな教えでも
あると思うが、多種多様あるスポーツの中にすると特徴的な教えだ。


柔道も、昔は「背筋を伸ばす」ことが教えの中心にしっかりあったそうだ。
がしかし、今の近代柔道、特に国際化した柔道になるとそのスタイルは途端に皆背筋を(ある程度)丸めて前傾姿勢となった。
つまり背筋を伸ばすという教えの重要度が急速に落ちたという。
そうしなければ今の柔道、オリンピックなどの競技では勝てないと言う。
これは何を意味するのか??


武道の立ち方の原則に「長時間」同じ姿勢で居続けることができる立ち方、というのがある。
つまり背筋を伸ばす立ち方というのは、無理せず長時間立てる姿勢だということ。
それに対し「背を丸める」ことはつまり、筋肉を固めることだという。
今の柔道はオリンピック等競技だとまさに数分間という短時間の中で勝負をしなければいけないため、
背を丸め筋肉を硬くし体を前傾にすることで体をひとかたまりにする。
そのひとかたまりにした体をパワーで操ってぶつかっていく。
短時間でなければできないスタイルだし、そうしなければ今は勝てないのだという。


背筋を伸ばすということは、長時間居続けられることのほかに「体を割る」ことができる。
これは背筋を丸めることの対比で、つまりは体幹、両手、両足をひとかたまりにするのではなく
それぞれを独立させ細やかにしなやかに動かすことができるようになる、ということだ。

身体の幹がピンとまっすぐになることで初めて、それぞれの手や足が独立し、しなやかに動かせる。
武道、特に様々な手技足技を内包する沖縄空手においては、「背筋をのばす」ことは必要不可欠であることが
よくわかる理論なのである。
言われてみれば書道、茶道、華道、弓道・・・どれをとってもその教えは皆姿勢から。
背筋をピンと伸ばすことが大変重要視されている。


「競技は記録の向上 武道は生死の研究」と言うことは当ブログでも何度か記事にしてきたことだが、
こういった事もわかってくると、まさに同じ柔道、同じ空手でも「競技(スポーツ)」と「武道」は
大きくその目的が異なるものなのだなあとつくづく実感するのである。


「背筋を伸ばす」という意味


同じカテゴリー(沖縄空手について)の記事
WMKA本部 忘年会!
WMKA本部 忘年会!(2023-12-10 01:00)


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
「背筋を伸ばす」という意味
    コメント(0)