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2020年10月30日

鬼滅の刃と、悲哀と美しさと型の重み。

今まさに話題沸騰のアニメ「鬼滅の刃」
なにやら邦画史上最速での興行収入100億円突破らしく。
ここまで世間が騒いでいるから、見てみた。(Amazon Primeで視聴可能)
とまあ、こういう人間がたくさんいるので話題作はさらに輪をかけて人を呼ぶ、インターネット・SNSの時代なのだろうな。
10年前、いや5年前とも比べても全然情報の拡散力・拡散スピードがまったく違うのを本当に強く感じる。コロナが「インフォデミック」と呼ばれる所以だ。。。


少年ジャンプの漫画だけに、ヒット要素が満載なのはもちろんそうだがこの漫画に感じたのは根底にある「悲哀」そして「美しさ」が、幅広く人の心を掴んだのかもしれない、と個人的に感じた。


大正時代を背景にした少年漫画はとても少ない。
15年と短いし特徴も少ない。さらに剣閣ものとなれば明治や江戸が多いがあえて大正。だがそこには遠くない過去、つまり想像ではなくミニマルな日本の原風景、モノもなく必要最低限のまさに「清貧」が嘘偽りなく描かれている。
それこそおじいちゃんおばあちゃんが住んでた時代で、昔話で聞ける時代。そこにはいつの時代か国かわからないドラゴンボールやナルト、ワンピースには感じない、つまり漫画だけどどこかギリギリ”リアル”に感じれる世界の物語のような気がする。
炭を売って家族を支えていた炭治郎と家族の、貧しかったが幸せに暮らしていた暮らしを鬼(敵)に一夜にして壊され、失った。唯一の生存者である妹も鬼と化したが、その妹を人間に戻し、家族を殺した鬼達とそれを率いるラスボスを倒すためのストーリー。まずその根底にある「悲哀」に大きく共感した。つまりもう1話目から完全に感情移入、応援モードになってしまう。


そして処処に「美しい」と感じるものがある。
もちろん絵も綺麗だし、着ている着物や風景、CG効果なども本当に綺麗。間違いなく世界トップクラス。
だが何より一番美しいと感じるのが、味方として出てくるキャラも皆それぞれ特徴はあるが「美しい心」を持っている所。
敵として出てくる鬼は、元は人間。鬼に襲われることで人を喰らう鬼と化すのだが、その鬼ですら断末魔に人間の時の記憶を瞬間思い出し、涙しながら死んでいく。そして炭治郎もその鬼の手を握りながら息絶えるのをそばで見守っている。
なんて美しい世界なのだろう。
そんな、色々な所に「美しいなあ」が散りばめられた、稀有な少年バトル漫画の気がする。


作中で炭治郎がいっぱしの剣士になるため、師匠に弟子入りし、日々鍛錬し、やがて一人前の剣士になるのだが
そこで教わった剣術には「型」があり、それを発動するために「集中」し、「呼吸」を使う。
このあたりも、日本の古くからの武道(武術)へのリスペクトを感じて嬉しい。
炭治郎以外に出てくる剣士もほぼ全て呼吸と型を使うので、この”実戦にこそ型を重んじる”という「型(形)の重み」を
表現してくれている鬼滅の刃。武の道を進んでいる方にはぜひみて欲しい作品だ。

鬼滅の刃と、悲哀と美しさと型の重み。



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