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2017年01月16日

アドラー心理学と武道

数年ほど前から注目度が高くなってきて、関連書籍も多数出版されている「アドラー心理学」
著者、アルフレッド・アドラーは、言わずと知れた心理学の大家、ユング、フロイトと並ぶ三大心理学者の1人だ。


アドラー心理学は非常に興味深く、代表的な著書「嫌われる勇気」がベストセラーになったが、今の日本にとても必要な内容だと感じた。隣近所や人の目を常に気にし、人と違うことをしづらい特徴?を持つ日本人気質に対し、嫌われることを恐れるなという投げかけを理論的且つ順序良く説いている、非常にわかりやすく面白い本だ。
アドラー心理学と武道


そのベストセラー本と同じタイトル「嫌われる勇気」のドラマも香里奈主演でスタートした。
http://www.fujitv.co.jp/kira-yu/

アドラー心理学と武道


アドラー心理学の教えをいくつか抜粋すると

・怒りは出し入れ可能な道具である
・人は、「変わらない」という決心を常にし続けている
・自分を苦しめる劣等感は、「客観的事実」ではなく「主観的解釈」である
・自慢している人は、劣等感を感じているに過ぎない

等々。全ての悩みは人間関係に帰結する
という大胆な主張を述べているのも有名な話。
そんな中で、とても深い内容があった。


対人関係に「競争」があると、対人関係の悩みから逃れられず不幸から逃れられない。なぜなら最後には他者全員を「敵」とみなすからだ。

自分は他者より正しい。自分は他者より勝っている。そう思い始めた途端に、それはつまり「権力争い」を始めている。となると、行き着く先は「相手を屈服させる」という目的になる。つまり「敵」となるのである。



武道の精神に非常に通じるものがあると感じた。
武道の世界は、自分を高めていく、自分の生命力向上を主体とするものであり、他者との競争優劣をつけるためのものではない。
優劣をつけていく時、必ず「相手を屈服させる」意識が働く。
これはものに取り組む時、少年時代の一時的なモチベーションには効力を持つが、対大人において長期的視野で考えた時、好影響を及ぼさない。
つまりは精神的に疲弊してしまうし、トップに立った時のモチベーション保持にはならない。
相手の失敗、ミスを歓迎する。空手でも競技に出ると如実に表れていることが多く、組手での相手の失敗に他方の観客が拍手を送る等の
下衆な行動が散見される。本来は互いに「空手」という武道を通じて精神修養、技量向上を求めてきた「空手仲間」人間同士の真剣勝負の場であるべきであって、相手を敵視して失敗を拍手するなどという低レベルの場であってはいけないはずなのだ。
あくまでも敵は自分自身。それこそが武道の教えなのである。


アドラー心理学では「人々は私の仲間である」という意識を持つことを目標にしている。
そしてそれもその通り。目的を同じくする仲間であるからこそ尊敬できるし、大切に思える。
ギスギスした競争の世界と対極にあるアドラー心理学は、まさに武道精神を代弁しているかのような心理学だった。





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